Episode 5 [英雄たちの戦い]
Episode 5
(焦るな…まだ、DVDが見つかった訳ではない。)
放送室の前を行き来しながらタクヤは冷静さを取り戻そうとした。
(それにあれが俺の物だとは思わないだろう。となれば、まだ小日向さんと結ばれるチャンスはある。いや、結ばれるさ!)
その時、彼のスマートフォンが振動した。驚いたタクヤは急いで放送室の前から離れ、近くの階段の踊り場で一息ついた。壁に身を潜め、放送室と廊下を確認する。誰もいない。
胸を撫で下ろしてスマートフォンの画面を見る。友人から新着メッセージが届いており、アプリを起動して内容を確認する。
<3階のトイレに変態がいるからすぐに来てくれ!>
(そんなことしている余裕はねぇ!)タクヤは携帯電話をポケットに戻した。
再びポケットに振動が訪れ、彼は苛立ちながらスマートフォンを確認する。メッセージは友人たちで共有するグループチャットだったので、他の友人たちがイタズラ半分で返事していた。
(そうだ!谷口に助けを求めよう!)
タクヤは急いで登録している谷口のアカウントを選択してメッセージを送った。
<大至急学校に来てくれ!>
もう一度、放送室を確認しようと顔を壁から出した。すると、二人の女子生徒が出てきて、タクヤのいる方に歩いてきた。
(小日向さんはいない…)
そう思った時、近づいてくる女子生徒たちの会話が聞こえてきた。
「信じられないよね。学校であんなの見るなんて…」
「ウチの部員の仕業かな?」
「かもね。」
「それともさっき来た男かな?」
「ありえるね。多分、谷口くんと見てたんじゃない?」
「サイテー!」
(バレてる!つうか、見てたんじゃねぇの?ってくらい合ってる。)
二人との距離が近づいてきたので、タクヤは急いで階段を駆け上がって身を隠した。彼の悪口を言いながら二人の女子生徒は階段を下って行き、それを確認するとタクヤは再び放送室の様子を確認するために移動した。
(もしかしたら、小日向さんも俺のことを誤解している可能性がある。このままでは、アカンッ!)
再び壁に身を隠して放送室を確認した時、部長と思われる背の小さい女性と小日向が出てきた。部長の手にはCDケースがある。
(もしやッ!俺のユイ…いやDVDを職員室に持って行くつもりなのかッ?)
二人はタクヤが隠れている階段ではなく、数メートル先にある反対側の階段へ向かって歩き出した。
(向こうの階段を使えば、職員室への近道になる。あれを失うッ!そして、小日向さんは俺を『変態野郎』だと誤解してしまうッ!)
DVDを取り返したい気持ちはあったが、好きな女性の前でそのような情けない姿を見せることはできない。タクヤは小日向の後姿を見つめながら下唇を噛んだ。
(も、もうお終いだぁ…俺の高校生活はこんなことで終わってしまうのか…)
右手に持っていたスマートフォンが再び振動し、タクヤは驚いて飛び上がりそうになった。何事かと彼がスマートフォンの画面を覗き込んだ。
<変態にヤられそうなんだ!すぐ来てくれよ!>
再び3階のトイレで変態と遭遇した友人からメッセージが届いた。
(そんな暇なんて―)
その時、名案がタクヤの頭に浮かんだ。
(神は俺の味方のようだ…)
(焦るな…まだ、DVDが見つかった訳ではない。)
放送室の前を行き来しながらタクヤは冷静さを取り戻そうとした。
(それにあれが俺の物だとは思わないだろう。となれば、まだ小日向さんと結ばれるチャンスはある。いや、結ばれるさ!)
その時、彼のスマートフォンが振動した。驚いたタクヤは急いで放送室の前から離れ、近くの階段の踊り場で一息ついた。壁に身を潜め、放送室と廊下を確認する。誰もいない。
胸を撫で下ろしてスマートフォンの画面を見る。友人から新着メッセージが届いており、アプリを起動して内容を確認する。
<3階のトイレに変態がいるからすぐに来てくれ!>
(そんなことしている余裕はねぇ!)タクヤは携帯電話をポケットに戻した。
再びポケットに振動が訪れ、彼は苛立ちながらスマートフォンを確認する。メッセージは友人たちで共有するグループチャットだったので、他の友人たちがイタズラ半分で返事していた。
(そうだ!谷口に助けを求めよう!)
タクヤは急いで登録している谷口のアカウントを選択してメッセージを送った。
<大至急学校に来てくれ!>
もう一度、放送室を確認しようと顔を壁から出した。すると、二人の女子生徒が出てきて、タクヤのいる方に歩いてきた。
(小日向さんはいない…)
そう思った時、近づいてくる女子生徒たちの会話が聞こえてきた。
「信じられないよね。学校であんなの見るなんて…」
「ウチの部員の仕業かな?」
「かもね。」
「それともさっき来た男かな?」
「ありえるね。多分、谷口くんと見てたんじゃない?」
「サイテー!」
(バレてる!つうか、見てたんじゃねぇの?ってくらい合ってる。)
二人との距離が近づいてきたので、タクヤは急いで階段を駆け上がって身を隠した。彼の悪口を言いながら二人の女子生徒は階段を下って行き、それを確認するとタクヤは再び放送室の様子を確認するために移動した。
(もしかしたら、小日向さんも俺のことを誤解している可能性がある。このままでは、アカンッ!)
再び壁に身を隠して放送室を確認した時、部長と思われる背の小さい女性と小日向が出てきた。部長の手にはCDケースがある。
(もしやッ!俺のユイ…いやDVDを職員室に持って行くつもりなのかッ?)
二人はタクヤが隠れている階段ではなく、数メートル先にある反対側の階段へ向かって歩き出した。
(向こうの階段を使えば、職員室への近道になる。あれを失うッ!そして、小日向さんは俺を『変態野郎』だと誤解してしまうッ!)
DVDを取り返したい気持ちはあったが、好きな女性の前でそのような情けない姿を見せることはできない。タクヤは小日向の後姿を見つめながら下唇を噛んだ。
(も、もうお終いだぁ…俺の高校生活はこんなことで終わってしまうのか…)
右手に持っていたスマートフォンが再び振動し、タクヤは驚いて飛び上がりそうになった。何事かと彼がスマートフォンの画面を覗き込んだ。
<変態にヤられそうなんだ!すぐ来てくれよ!>
再び3階のトイレで変態と遭遇した友人からメッセージが届いた。
(そんな暇なんて―)
その時、名案がタクヤの頭に浮かんだ。
(神は俺の味方のようだ…)
To be continued...?
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